カーライフを送る上で最も避けたいのは、免停や免許取り消しといった行政処分。
通常のスピード違反であればまだしも、オービスに関しては一発免停が基本となってくるため、残念ながら覚悟を決めるしかありません。
この記事では、オービスの光り方や通知、その後の罰金について、筆者の実体験も含めて解説していきます。
Contents
オービスはかなり強めに光る
よくある質問として「オービスが光ったかもしれない」といった質問がありますが、オービスの光り方はまず100%わかる程度の光り方です。光量の強い夏の夕方でもない限り、「光ったかどうかわからない」ということはまずないでしょう。
なお、オービスの赤い光は撮影のための光ではなく、撮影したことをドライバーに知らせる光です。撮影はもっと手前で行われているので、光った後に減速をしても意味がありません。
筆者もかつて首都高でオービスを光らせたことがありますが、「光ったかな?」というようなものではなく、視界上部がかなり赤く光りました。
オービスが光る条件は?点数はどうなる?
オービスが光る条件はスピード違反です。LHシステム等の固定式オービスの場合、一般道で30km/h以上の速度超過、高速道路で40km/h以上の速度超過で光ると言われています。
この速度超過は少なくとも6点以上の減点であり、光った時点で赤切符となり、免停が確実となります。
撮影から約1ヶ月~2ヶ月程度で出頭通知が届き、免停に向けた処分を受けることになります。
オービスが光っても通知が来ないことはある?
「オービスが光ったけど通知が来なかった」というケースをネットで目にしたことのある方もいらっしゃると思います。オービスが光っても通知が来ないケースには以下のものがあります。
バイクでオービスに撮影されたので、運転者が特定できない
オービスの撮影写真は ①車のナンバーが写っている ②運転者が特定できる という2点が揃って初めて証拠として認められるようになります。このため、ナンバーが後方にしかなく、ヘルメットを被っているバイクについては、仮に撮影したとしても本人を特定することが困難であり、出頭命令が届く可能性はかなり低くなります。
ただし、出頭命令が来ないからと言ってピースをして撮影したり、繰り返し速度違反を行ったりするなど、警察に対する挑発行為を行うと、警察も本気になって調査し、ありとあらゆる方法で検挙しにきます。
隣の車が撮影されただけ
路線によっては複数の車線にまたがってオービスが設置されている場合、たまたま隣の車が撮影されただけというケースがありえます。自分の速度計を確認し、速度が十分低かった場合には安心といえるでしょう。
オービスがフィルム切れを起こしていた・点検中だった
オービスの中にはフィルム交換式のものも存在します。フィルム交換式の場合、運良く(?)フィルムが切れているようなケースでは撮影画像が残らないために通知が来ることはありません。
また極稀に、オービスの点検・試運転中で全ての車両を撮影するようなケースもあります。こちらも速度を確認し、十分低かった場合には安心といえるでしょう。
オービスで撮影された場合の罰金はいくら?免停期間は?
オービスで撮影された場合の罰金は、反則金ではなく裁判によって決定される罰金となりますが、概ね以下のような相場になってきます。
速度違反の罰金額の相場
- 30~39km/hオーバー……5万円~6万円
- 40~49km/hオーバー……7万円~8万円
- 50~59km/hオーバー……8万円~9万円
- 60~69km/hオーバー……9万円~10万円
- 70~79km/hオーバー……10万円
- 80km/hオーバー……懲役・禁錮
また、免停の期間については、初犯の場合には30日または90日となります。
速度ごとの免停期間(初犯の場合)
- 30km/h以上50km/h未満(高速道路は40km/h以上)……6点、30日の免停
- 50km/h以上……12点、90日の免停
6点の違反を行い、更に過去に3点の違反があったようなケースでは、9~11点となり60日の免停も存在します。
オービスで撮影された後はどういう通知がくる?どこに出頭する?
さて、オービスで撮影されてしまってから約1ヶ月程度経つと、上記のような通知書がハガキで送られてきます。これは、オービスの写真を元に本人照合と取り調べを行うためのものです。
出頭先は設置されているオービスの所轄となり、例えば都内であれば東京の警察署に出頭します。なお、旅行などで他県で違反し、出頭が難しい場合には、通知発送元の警察署へ電話することで最寄りの警察署に変更してもらうことができますし、都合が悪い場合には日時の変更が可能です。
なお、この時に免許停止処分を受けるわけではないので、車で行くことは可能です。
オービスが光って出頭してからの流れ
オービスを光らせてしまい出頭することになった場合には、以下のような手続きを取ることになります。
①所轄の警察署で取り調べを受け、赤切符を受領する
通知ハガキに指定された日時に警察署へ行き、取り調べを受けます。このとき、オービスに撮られた写真を示され、「これはあなたですか?」と確認され、その際に速度を言い渡されます。
筆者が違反したときは、80キロ制限のところ56キロオーバーであることを確認されました。取り調べを受けると調書を記載する必要があるため、「急いでいた?」などと確認されます。取り調べ自体は事務的に終わります。
取り調べが終わると、写真のような赤切符を受領することになります。
赤切符には違反の内容、自動車のナンバー、氏名などが記載され、後日検察庁へ出頭するように命令されます。この際、免許証を没収される場合があり、その際にはこの赤切符が免許証の代わりとなります。
②裁判所(検察庁)へ出頭する
裁判所は地域の簡易裁判所(交通裁判所)へ出頭することになります。この際に赤切符を持って行く必要があります。また、この日は免許停止にはならないため、車で行くことも可能です。赤切符が切られる交通違反は刑事処分が下されるものですので、本来は裁判を行うことになりますが、あまりにも数が多すぎるが故に1日で罰金の納付が完了する裁判所が設けられているケースが殆どです。
裁判所へ行くと、略式裁判で良いか尋ねられ、はいと答えると手続きを待ちます。
その後は、①警察官の取り調べ→②検察官の取り調べ→③裁判(罰金の記載された赤切符の交付)→④納付手続きの説明→⑤罰金の納付という順で手続きを行い、罰金を納付すると帰れます。
なお、罰金の納付は10万円程度と言われています。56キロオーバー時の罰金は8万円となっていました。罰金は高額なため、分納が可能になっています。分納する場合には④の納付手続きの説明時に徴収係に申し出を行いましょう。
また、どうしても罰金を納付できない場合には、労役場とよばれる刑務労働を行う場所で作業することにより、1日を5000円分(8万円であれば16日)として返済が可能です。
赤切符を交付されるような重大な違反では、裁判所が行う「刑事処分」として罰金が課され、警察署が行う「行政処分」として運転免許停止処分が下されます。裁判所で罰金を払ったとしても、行政処分である運転免許停止処分はまだ受けていない状況ですので、車を運転することはできるのです。
③免許センターへ出頭する(意見の聴取と運転免許停止処分)
さて、裁判所で罰金を支払い終えて刑事処分が下ると、今度は行政処分として免許センターへ出頭する必要があります。ここで免停が確定するため、免許センターへは車で行かないでください。
免許センターへ出頭する日時については、「意見の聴取」または「意見の聴聞会」と呼ばれる内容で通知書が届くので、その中で日時を確認することになります。
意見の聴取は日時が指定されており、変更することができません。その場合には欠席となりますが、なるべく出席したほうが良いでしょう。
「意見の聴取(聴聞会)」では何をする? 処分が軽減される?
意見の聴取とは、行政処分(この場合は免許停止処分)を受けるに際し、意見および有利な証拠を提出する機会を違反者に与え、それに基づいて違反者の処分内容を決定する制度です。
聴聞会に出席すると、いかにもスピード違反で捕まってそうな人々(自分もそうですが)が教室に集められ、順番に警察官から違反の状況を読み上げられ、「どうして違反したのですか?」「今はどういう心境ですか?」などと質問されます。
大抵の言い訳は「仕事で急いでいた」「親族が倒れた」等のもっともらしい言い訳です。筆者が違反したときには「速度計を見ずにぼーっと運転していました」と答えました。心境については反省の意を示す必要があるため、「交通安全を脅かす大変危険な行為を行ったことを自覚しており、深く反省しています。今後は速度計をしっかり注視し、二度とこのようなことがないよう注意します」と回答しました。
聴聞会が終わると休憩を挟み、いよいよ免許の停止処分書を受け取ることになります。この際、聴聞会の内容を加味して免停日数が短縮(減刑)される場合があります。筆者の場合には90日の免停が60日へ短縮されました。なお、二回目以上の違反や酒気帯び運転の違反の人は減刑されることはほぼないようです。
④停止処分者講習へ出席すると更に処分が軽減される
聴聞会が終わると、運転免許停止処分者を対象にした講習を受講するか進められます。停止処分者講習を受けることで、処分を更に軽減することが可能です。
ただし停止処分者講習は有料となっており、更に講習中の態度や、講習後のテストの点数によって短縮日数が変わってきます。
種類 | 短期講習 | 中期講習 | 長期講習 |
---|---|---|---|
対象者 | 免停30日 | 免停60日 | 免停90日以上 |
所要時間 | 1日6時間 | 2日10時間 | 2日12時間 |
短縮日数 | 優29日・良25日・可20日 | 優30日・良27日・可24日 | 優45日・良40日・可35日 |
受講料 | 約14,000円 | 約23,000円 | 約28,000円 |
つまり、免停60日の違反を初犯で行った場合、「意見の聴取」に参加して30日に減刑、更に「短期講習」に参加することで29日短縮されることも可能であり、その場合免停期間は1日のみとなります。
⑤免停期間終了後、再度免許センターへ出頭して免許を受け取る
免停期間が終了すると、免許センターへ出頭して免許を返還されることになります。言うまでもありませんがこの際に車で免許センターに行くと無免許運転になりますので、くれぐれも車で行かないようにしてください。
オービスを光らせないようにするにはどうすればいい?
以上、オービスが光るケースと、その後の処理の流れについて解説しました。
オービスを光らせないようにするためには、速度を落として運転するしかありません。もっというと、オービスの位置を確実に把握し、絶対に撮影されることがないように心がける必要があります。
オービスの位置を把握するためには、レーダー探知機と呼ばれる機器を車に搭載する必要があります。レーダー探知機があれば、オービスの設置地点はもちろんのこと、パトカー等による取締エリア等も教えてくれるので、より確実な安全運転が可能になります。
当サイト人気No.1のレーダー探知機「ユピテル LS320」
ユピテルのレーダー探知機「LS320」は、モニター・レーザー受光部が一体型となっている、ユピテルの中間層に位置するレーダー探知機です。
レーダー探知距離・探知性能は業界屈指であり、マップ表示や燃費表示、OBDIIを利用した自動車との接続など、機能が多彩になっています。
警察の取締を回避しつつ安全運転をサポートするアイテムとして、ぜひ導入を検討したいところです。