交通違反をすると警察官から交付される書類は2種類あります。その紙の色の違いから「青キップ」「赤キップ」とも呼ばれ、一部のドライバーからは恐れられています。
今回はその「青切符」「赤切符」の違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
「青切符」「赤切符」とは、ともに警官から交付される書類のこと
巷で言われる「青切符」「赤切符」とは、主に交通違反を行った際に警察官から交付される書類の俗称を指します。
青切符は本来の名前を「交通反則告知書」、赤切符は本来の名前を「告知票・免許証保管証」と言います。
青切符は比較的軽い違反に対して交付されるもので、「反則金」と呼ばれる違反金を支払います。
赤切符は比較的重い違反に対して交付されるもので、「罰金」と呼ばれる違反金を支払います。
それでは両者にはどういう違反があるのでしょう? また、どのような処分が待っているのでしょうか?
青切符と赤切符、それぞれの違反内容の例
青切符の場合
青切符とは、比較的軽い違反に対して交付されるものです。具体的には「一時停止違反」「駐車違反」や「30km/h未満(高速道路では40km/h未満)の速度違反」などです。点数の目安としては6点未満、つまり3点以下の違反が多くなります。
違反した場合には反則金を収めることで免許を維持できますが、次回更新時にゴールド免許は発行されません。
ゴールド免許の取得条件や、ゴールド免許取得に影響しない交通違反については以下の記事にまとめてあります。
赤切符の場合
赤切符とは、比較的重い違反に対して交付されます。具体的には「30km/h以上(高速道路では40km/h以上)の速度違反」「携帯電話を操作し、交通の危険を生じさせた場合」「ひき逃げ(救護義務違反)」等が挙げられます。
違反した場合には最低でも免許停止(免停)となり、運転ができない期間が発生します。
青切符 | 赤切符 | |
正式名称 | 交通反則告知書 | 告知票・免許証保管証 |
交付される条件 | 比較的軽い違反 | 比較的重い違反 |
支払う違反金の名前 | 反則金 | 罰金 |
処分 | 原則反則金のみで終わる | 罰金+免停(または免許取消) |
青切符と赤切符、それぞれの手続の違い
青切符・赤切符共通の手続き
青切符も赤切符も、交付された上でお金(違反金)を支払うという手続き自体は同じです。切符自体はペラペラの紙であり、違反を現認(警察官が現行犯として違反を確認)した場合にはパトカーの中などで交付されます。オービスで撮影された場合などでは、警察署で交付されます。
交付された書類には「反則金納付書」などの納付書が付属しており、これを最寄りの銀行や郵便局で納付します。納付までの有効期限が大変短く設定されるため、忘れずに支払うようにしましょう。
なお反則金・罰金共に納付に応じない場合には刑事訴訟となり、刑事罰が課されることになる(より刑が重くなる)ため、絶対に支払うようにしましょう。
青切符特有の手続き
青切符の場合、反則金を支払えば多くの場合は処理が完了します。ただし、過去にも青切符を切られており、累積点数が6点以上となった場合には免停となります。
なお、免停かどうかは現場のパトカーではすぐ判断できないため、後日「行政処分出頭通知書」というハガキを受け取ってから、最寄りの免許センターや運転免許試験場へ出向くことになります。
赤切符特有の手続き
青切符の場合には、反則金を支払えば処理は完了ですが、赤切符の場合には最低でも免停が待っていることになります。
赤切符の場合には、パトカーの中で運転免許を没収される場合があります。その場合でも赤切符(告知票・免許証保管証)が運転免許証の代わりになるため、捕まった帰りに車を運転できないというわけではありません。
赤切符を交付された場合、後日交通裁判所に出頭する必要があります。交通裁判所では警察の捜査(取り調べ)→検察官への送致(書類送検)→起訴→裁判という流れを略式で処理し、その日のうちに免停処分が下されることになります。つまり交通裁判所へ出頭する日に車で出かけることはできません。
反則金は納めないこともできる? 取締が不服な場合には「サインをしない」
上記のように、交通違反を行った場合には反則金や罰金が課せられることを説明しました。
しかし、例えばどう考えても違反していないにもかかわらず不当に取り締まられたときなど、取締に不服がある場合にはどうすればよいでしょうか?
その場合、「青切符にサインしない」という選択があります。通常はパトカーの中でサインを迫られますが、それを断固としてサインを拒否することが可能です。その場合、警官は「サインしないと裁判になるぞ」と凄んでくることがありますが、裁判はほぼ不起訴に終わります。
確かに後日検察庁から出頭要請が届き、検察官から「略式裁判(罰金)に応じましょう」と言われますが、正式裁判に持ち込む旨を伝え続けることで正式裁判となります。
ですがこの正式裁判は、ほとんどが不起訴となります。反則金程度の違反で裁判をしても労力を消費するだけだからと思われます。
起訴されないと罰金も懲役もなければ、元の反則金を支払う必要もありません。不当な取締を受けたと思う場合には青切符へのサインを拒否しましょう。
なお、罰金レベルの違反(赤切符)をした場合には、サインを拒否しても検察に起訴される可能性が若干上がります。
罰金が払えない場合には刑務所行きって本当?
赤切符の罰金は、違反の度合いにもよりますが10万円程度以上と高額になりがちです。これらの罰金を納付できない場合にはどうなるのでしょうか?
罰金を納付できない場合には、一つは分割払いを相談する方法があります。検察庁の徴収係に「こういう事情でお金がないので、XX日までに支払うから猶予してほしい」と伝えることで、分割払いに応じてくれる場合があります。
なお反則金については最高額が35000円と比較的安価なので、分割払いは認めてくれません。
分割払いすらできない場合にはどうなるかというと、「労役場留置」と呼ばれる処分が下され、「労役場」と呼ばれる施設で労働をすることになります。労役場というのは「拘置所」や「刑務所」にある作業施設のことで、ここで軽労働を行うことで1日あたり5000円となります。つまり50000円分の労役の場合、5日間作業を行うことになります。
ちなみに作業内容は「紙袋の紐を通す」「洗濯ばさみを作る」といった内容で、懲役刑の受刑者らがやる軽作業と変わりはありません。
まとめ
以上、青切符と赤切符の違いについて解説しました。どちらの切符でも違反金の支払いが発生する上に様々なデメリットが多く、あなたのカーライフに暗い影を落とすことは間違いありません。
日頃からしっかり交通ルールを理解し、切符の切られることのないよう安全運転を心がけましょう。
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